SIJP Annual Report 2025

Seattle IT Japanese Professionals 年次活動報告書

Message from SIJP

はじめに:テクノロジーでつなぐ、シアトルと世界の未来

Seattle IT Japanese Professionals (SIJP) は、シアトル地域に根ざしたITプロフェッショナルをエンパワーし、その専門知をもってコミュニティに貢献することをミッションとしています。

2025年は、生成AIの急激な進化や量子コンピュータの実用化など、テクノロジーの地殻変動が起きた一年でした。私たちはこの変化を「学び」に変え、最先端技術へのキャッチアップと、次世代への教育支援に全力を注ぎました。特に、能登半島地震の被災地を含む日本各地とシアトルをつないだハイブリッド教育イベントは、物理的な距離を超えたコミュニティの力を証明するものとなりました。

活動ハイライト (Highlights of 2025)

  • 最先端技術の探求: 量子コンピュータ(IonQ)やAIリサーチャーを招いた専門性の高いセミナーの開催。
  • グローバルな学びの共有: スタンフォード大学での学びを還元する講演の実施。
  • 次世代教育の集大成: 「CS in English」における世界的なAI学習イベント「Hour of Code / Hour of AI」への参加と、日米6カ国をつないだハイブリッド開催。

数字で見る2025年のインパクト

今年度、SIJPは「最先端技術」と「次世代教育」の架け橋として、以下の成果を上げました。

  • Global Reach: 参加者の居住国は日米に加え、カナダ、中国、フィリピン、シンガポールなど世界6カ国に拡大。
  • Next Gen Engagement: 12月の教育イベントでは、スタッフを含め130名以上が同時参加。
  • Support for Noto: 能登半島(珠洲・羽咋)の会場と常時接続し、被災地の子どもたちへ「創る喜び」を届けました。

Activity Report: 教育事業:教育事業: 次世代の可能性を拓く (Empowering the Next Generation)

CS in English Season 7

Kids Code Clubなどとの共催による「英語で学ぶコンピュータ・サイエンス」は、Season 7を迎えました。本年度は「AI」を軸に、アルゴリズムやデータベースなど高度なトピックを英語で学ぶ機会を提供しました。

主なハイライト:Hour of AI 特別編 (12月) 世界的なプログラミング教育週間「CS Education Week」に合わせ、AIを活用した創作イベントを開催しました。

  • テーマ: AIを使って音楽とダンスを創作しよう (Mix & Move with AI)。
  • スペシャルゲスト: 映画『すずめの戸締まり』作曲家の陣内一真氏、音楽クリエーターのYukihiro Kanesaka氏を招聘。「AIは魔法ではなく、人間が感性を加えることで作品が完成する」という共創の姿勢を子どもたちに伝えました。
  • 協力体制: Google社をはじめとする現役エンジニアがティーチングアシスタント(TA)として参加し、子どもたちの創作を直接サポートしました。

参加者の声

  • 「AIの無限の可能性に感動しました」(クイズ大会優勝者 Hakuさん) 「プロの方々が楽しそうに議論しているのを見て、子どもには夢を持って大人になってほしいと改めて思いました」(保護者)
回数
開催日 (日本時間)
テーマ (Title/Topic)
内容・備考
第1回
2025年 冬
How the Internet works
インターネットの仕組みを英語で学習
第2回
2025年 早春
Hour of Code Music Lab
音楽とコーディングの融合体験
第3回
3月
Bubble Sort Competition
並べ替えアルゴリズム「バブルソート」の実践
第4回
5月11日
Tree Algorithm
「ツリーアルゴリズム」でデータ構造を学ぶ冒険
第5回
7月27日
Creativity Unlocked: Japan Vibe Coding
「Japan Vibe」をテーマにした創造的コーディング(神戸会場・オンライン)
第6回
10月19日
Level Up Your CS with Databases!
データベースの基礎とCSスキルのレベルアップ(熊本会場・オンライン)
特別編
12月7日
Hour of AI
AIを使って音楽とダンスを創作しよう (Mix & Move with AI)

Activity Report: キャリア・コミュニティ事業:専門知の還元(Career & Community)

ITプロフェッショナルおよび学生を対象に、シアトル発の最先端技術とキャリア構築に関するイベントを開催しました。

Deep Tech & Career Events

  • 【1月】量子コンピュータの現状と未来 by IonQ
    • 内容: IonQの現役エンジニア(相京祐飛氏、円尾芽衣氏)を招き、イオントラップ型量子コンピュータの実機運用や開発動向を解説。「すでにクラウドで使える段階にある」という現実に、参加者からは驚きの声が上がりました。
    • 共催: シアトル日本人研究者の会 (Jijal)。
  • 【2月】Stanfordで学んだ4つのこと
    • 内容: スタンフォード大学LEADプログラムを修了したSIJP代表の今崎憲児による還元講演。「ユーモアの重要性」や「チーム成功のためのPARCモデル」など、組織リーダーシップに関する知見を共有しました。
  • 【3月】AIリサーチャーと語るエンジニアの行く末
    • 内容: 『世界一流エンジニアの思考法』著者の牛尾剛氏(Microsoft)と、AIリサーチャーの臼山直人氏が登壇。Vibe Coding(AIによる即興ゲーム制作)の実演などを通じ、AI時代のエンジニアの生き方を議論しました。会場のKirkland Libraryは満席となる盛況ぶりでした。

Partners & Organization

運営体制とパートナー

SIJPの活動は、ボランティアスタッフ、登壇者、そしてパートナー団体のご協力と寄付によって支えられています。

    • 一般社団法人 Kids Code Club
    • シアトル日本人研究者の会 
    • 特定非営利活動法人くまもとLRネット、神戸市役所、ピースウィンズジャパン、のと教育研究所
    • IonQ, Microsoft, Amazon, Google等に所属するボランティアの皆様

Future Outlook

2026年への展望

2026年も引き続き、「Education」「Community」「Career」の3本柱を軸に活動を展開します。「CS in English」は2026年3月からSeason 8をスタートさせ、さらなるコンテンツの充実を図ります。

変化の激しいテック業界において、SIJPは会員相互の学びと成長を支え、次世代を担う子どもたちに「Life-changing Opportunity(人生を変えるきっかけ)」を提供するコミュニティであり続けます。